デジタル家電はしょせんは家電だ

デジタル家電という便利な言葉がある。もともとは、家電といえば電気回路を使った電気製品が主だったが、やがて電子回路やデジタル回路を使ってさらにはマイコン乗せてソフトウェア制御するようになってきた。従来はほとんど使ってなかったデジタル技術をふんだんに使った家電という意味で、従来の家電とは違うものだというのを強調するためによく使われる。まぁ細かい話をすれば、今時デジタル技術の入っていない家電なんて皆無に等しい。マイコンジャーなんて言われたのは今や昔、洗濯機・掃除機はメニューとかのインターフェースがもろデジタルだし、冷蔵庫・エアコンはソフトウェア制御のVVVF使ってる(ハズだ)し、てな時代。・・・ちなみに、「マイコンジャー」は、マイコンの入ったジャーを指すのではなく、加熱方法にヒーターを使っていてかつその制御をマイコンでやっているものを指そうな。「マイコン制御のIHジャー」とかいうと逆に混乱するんだろうな。そんな細かい話はあるものの、デジタル家電といった場合は通常デジタル技術をふんだんに使ったものを指していて、具体的にはケータイ・デジタルテレビ・レコーダ・デジカメ・オーディオプレーヤ・ゲーム機あたりを指す。

で、家電であるのにもかかわらずなぜデジタル家電なんて特別な名前で呼ぶのかというと、デジタル技術をふんだんに使っているからであり、それはプログラマブルデバイスに依存している度合いが強いからと言うことでもあり、それはソフトウェアの占める割合が大きいからという意味につながる。そうなんだよ、開発の半分をソフトウェアが占めていてソースが1000万行を超えてるらしいんだよ。・・・あれ?1000万?そんなに少なかったっけ?・・・まぁいいや。それだけのソフトウェアが作られればそりゃ開発大変でバグもたくさん出るわけで、バグをたたきつつもすべてのバグ検証が終わらず見切り発車で製品を発売することさえあるらしいですよ。・・・あれ?見切り発車されてない製品ってあったっけ?・・・まぁいいや。それだけの規模のソフトウェアを開発してると、昔ながらの組み込みソフトウェア開発の気分じゃとうてい乗り切れないわけで、組織立った開発体制や再利用可能なモジュール設計・ソフトウェアの共通化なんかが求める。

とはいえ、専用に作り込まれたハードウェアと限られた開発期間ともなれば、組み込み丸出しなソフトウェアのコードも必要で、理由もわからないおまじないコードでハードのバグに対応したり、足りないメモリを何とかするためにあーだこーだやったりという部分も必要になる。「DRAMちょっと増やせばこんなの問題にならないのに・・・」とか思ってはいけない、開発にもスピードが求められる昨今はソフトウェアの詳細設計をやってる頃にはすでにハードのスペックがすべて決まっていたりするで、後から言ってなんとかなるようなものじゃない。いくらソフトウェア開発が「デジタル家電級」になっていたとしても、求められているのは通常の「家電級」の組み込みソフトウェア開発なのだ。ソフトウェア開発が「デジタル家電級」になってるのはあくまで開発の都合でしかない。

というか、デジタル家電なんて言葉が一般用語になっているのがそもそもおかしい。家電の内部がデジタル化してるのは開発の都合でしかなく、一般利用者が家電の内部の変化を知りたいわけがないし知る必要もないはず。

というわけで、デジタル家電なんて言葉は、プログラマブルなデバイスを使いソフトウェア制御されることを期待して設計・開発・生産されたハードウェア上にてきちんと動くソフトウェアを短期間に完成させることが求められているもののそんな無茶いうなボケーと言う他称「組み込みソフトウェア」プログラマの反論のための言葉であり、決して「今すぐほしいデジタル家電」とかいうお題でお店が高額商品を買わすための方便に使うようなものじゃないと思うんだ。

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このページは、らるるが2009年8月10日 06:55に書いたブログ記事です。

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