Vアプリ＠らるるのわがまま

Vアプリのライブラリバージョンについて

Vアプリ(旧Javaアプリ・Vodafone[=J-PHONE]のケータイ向けJavaプラットフォーム)は、 2001年11月に公開されて2002年3月から順次発売された5x機種(パケット機種)にて動作させることが可能になった。それ以前は、公式契約を行った法人のみが開発を行える状況だった。で、2003年10月にJ-SH53移行の機種向けの拡張されたものと以前公式契約法人のみが開発可能だった機種向けの仕様が公開された。ここでは、これらの違いについてさらりとふれておく。

C4型: 初期のVアプリ(Java)アプリで公式契約した法人のみに公開された仕様もしくはそれのターゲットとするプラットフォームで、0x機種のVアプリが該当する。 MIDPとJSCL1.0ライブラリで構成される。
P4型: 5xのパケット機種が発売されるときにそれらの機種向けのプラットフォーム・仕様とされたもの。MIDPとJSCL1.1ライブラリで構成される。
P5型: J-SH53機種以降向けのプラットフォーム・仕様であり、拡張されたライブラリJSCL1.2を持つ。

2003年10月より上記3種類すべての元にて一般クリエータがアプリを作れるように仕様が公開された。ただしVodafoneのJavaでは一般クリエータは自由にアプリを配布することはできず、コンテンツアグリゲータと呼ばれる団体・サイトにてアプリの正当性がチェックされそれにパスしたもののみが公開される。チェックといってもアプリの質とかまで問うあまり厳しいものではなくて、アプリが仕様に沿って作られているかどうかあたりのみを見る。また一部つっこんだ機能を使う場合は「オフィシャル登録」(きっちりした契約を交わす・現在無料)をする必要がある。(登録する必要あるアプリ一覧アプリゲットより)

C4型(=JSCL1.0)とP4型(=JSCL1.1)はライブラリの持つ機能はほぼ同じで、5xパケット機種向けに一般クリエータに仕様が公開される時に一部メソッド・仕様をより使いやすくした程度のもの。つまり移植は楽。これまでの一般クリエータはP4型(JSCL1.1)を作ってきたが、新たにC4型(JSCL1.0)に対応させる処理はさほど難しくない。互換対応のための書き直し関連項を読んでくれ。 P5型(JSCL1.2)は仕様が大きく拡張され、データフォルダ・メール関連・アドレス帳・カメラ・バーコード・赤外線・カメラなどの機能を扱えるようになった。またJSCLライブラリは下位互換があるため、(2003年10月現在)JSCL1.0ライブラリのみで作ればすべての端末で動作させることが可能。 V601SHより、JSCL1.0ライブラリの一部ResourceOperator/ResourceOperatorManagerが使えなくなっている模様

JSCL1.0.1/JSCL1.1.1/JSCL1.2.1はそれぞれ、JSCL1.0.0/JSCL1.1.0/JSCL1.2.0のものに「シリアル接続」対応させたものらしい。つまり、通常はあまり気にしなくてよし。

互換対応のための書き直し関連

P4型(5xパケット機種向け)のアプリをC4型(0x機種)向けに移植するのはさほど難しくない。たいていの機能がほぼそのまま別クラスとして存在するため。以下では主だった注意点を。

P5型では、P4型まで使えた「ResourceOperator」関係が使えない。私が現在知るところの下位互換がない唯一の項目(Vアプリ開発ガイドTips編V1.0.2より) まぁ元々P4型情報公開時点では非公開情報的だったようなので、一般クリエータはあまり使ってないと思うけど。J-SH53のみ使えるっぽい。
P4ではSpriteCanvas・C4ではACanvas。 SpriteCanvasはフレームバッファサイズを動的に指定できるがACanvasはコンストラクタに指定する必要がある、具体的にはCanvas(の派生クラス)のインスタンスを一時的につくってそいつからWidth/Heightを取得し、その値を上回らない範囲でACanvasのコンストラクタを呼ぶことになる。drawFrameBufferはflushに対応。
AcanvasがCanvasの派生クラスではないと誤った記載をしてました、すんません。
P4ではSmafPlayerやPngPlayerなど様々なプレーヤが存在するが、C4ではMediaPlayer(com.j_phone.media.MediaPlayerでありcom.jblend.media.MediaPlayerとは異なる)しかない。このため、以下のようにしてプレーヤを作る。
```
byte[] data = new byte[8192] ; // 十分なサイズを
java.io.InputStream in = getClass().getResourceAsStream("/filename.mmf") ;
in.read( data, 0, data.length) ;
in.close() ;
MediaPlayer mp = new MediaPlayer( data) ;
```
P4型のResidentMIDletは、C4型のMailListener, ScheduledAlarmListener, TelephonyListenerを継承したクラスで代用。 RingStateListenerは・・・知らん。どうするんだろ。ないのかな。
*jad/MANIFEST.MFの記述「MIDlet-OCL: JSCL-1.1.0」を「MIDlet-OCL: JOCL-1.0.0」に変更すること。これまではなくても大丈夫だった・これからもなくても大丈夫かもしれないけど、ガイドPDFには必須とあるので一応書いておきましょう。「JSCL-1.0.0」ではなく「JOCL-1.0.0」である点に注意。

J2ME/MIDP プラットフォームらへん

JDK1.4でpreverify時に「Class loading error: Illegal constant pool index」で失敗する。JDKのバージョン1.3.*にする。もしくはコンパイル時に「javac -target 1.1」とオプションをつければよいらしい。(未確認)
アプリの初期化処理は、MIDlet派生クラスのコンストラクタにて行う。 startAppメソッドには一時停止からの復帰時の処理のみをかく。これで、アプリを一時停止に対応させることができる。
Timer/TimerTaskの使い方わからん。一度登録した後cancelメソッドを実行すると、そのTimer/TimerTaskは二度とタイマー処理に使えなくなるの？(例外はいて落ちました)　他Timerは何か怪しいので、 Runnableを使いスレッド化してwhileでぐるぐる回す方がよいみたい
J2MEでは「double / float」の変数の型が定義されていない。そのため、そのままでは小数を扱うことができないが、 JSCL1.0ライブラリにFixedPointクラスが用意されているので、これを使えば小数が扱える。精度があまりよくないので、もっと高い精度のものが欲しい人はMathFPを使うとよい。しかし、これも固定小数点であるため一部計算に難点がある。なので、今私が浮動小数点ライブラリを構築中。いつできるのかは知らん。開発中のものを晒し上げ(もう1年以上放置しています。。)
MIDP2.0が公開されていてスプライト機能やマルチメディア関連が強化されたが、国内Javaは相変わらずMIDP1.0+独自拡張ライブラリである。iアプリもMIDPに対応させる雰囲気は今のところ全くない。

JSCL(J-PHONE/Vodafone向け拡張ライブラリ)らへん

JSCL1.2以降にもうけられた「セキュリティ対象クラス」(P5型JavaDocのHTMLのzip中身「jscl_security.html」)は、「MIDlet-Application-Security: Y」にて対処できるらしい(未確認)
QVGA解像度(以降)の機種で横120の拡大表示ではなく240フルに使ったアプリを作る場合、「MIDlet-Application-Range: 0,0」にて対処する。
使うためにはオフィシャル登録する必要があるAPIの一覧http://ac-admin.appget.com/member/api.php (要appget登録済)
端末内のリソース(音楽・画像)をサブディレクトリ管理している場合、JSCL1.0のAPIを使った方法ではサブディレクトリの中身は見えず、アプリからは直に置かれているもののみが見える。
*.jadとかMANIFESTとかに日本語を使いたい場合、UTF-8エンコードで保存すること。ただし2byteとは限らないのでサイズに要注意
javax.microedition.lcdui.Graphics.setFont でフォントサイズをいじりたい場合、
ん・ぱか工房さんとこにあるフォントサイズ一覧を参考に。。機種ごとにsmall/medium/largeのfontsizeが決まっていて、機種によっては3種類とも同じサイズみたいなので実質変えられないと思った方がいい。 QVGA以降の機種だとそうでもないみたいだけど、機種によってフォントサイズが違うので扱いに注意。
java.util.Date.getTime() は標準時をミリ秒で取得できる関数だが、J-PHONEのプラットフォームでは10ミリ秒単位になるっぽい。つまり、1の桁が必ず0になる。
MailListenerで定義されたメソッド「received」は「SMS着信の通知」となっている。これは、メール受信だけでなくステーションやWeb配信のメッセージも含まれ、引数「int detail」で種類を分ける。「MailListener」のフィールド値に「detail」の詳細がある。ちなみに、メールでない物の受信の場合は「name」「address」ともに「null」が入ってやってくる。
端末内の画像やサウンドファイルにアクセスしたい場合、JSCL1.0ライブラリのResourceOperator/ResourceOperatorManagerの各クラスを使うこと。
```
//	---------- MIDlet内 ----------
byte[] tmp = null ;
MediaPlayer mp = new MediaPlayer( tmp) ;
ResourceOperator ro =
	ResourceOperatorManager.getResourceOperator
	(ResourceOperatorManager.IMAGE_RESOURCE) ;
ro.setResourceByTitle( mp, "sample.png") ;
// ファイル名以外にResourceIndex, ResourceIDを使ったアクセスが可能。
Display.getDisplay(this).setCurrent( mp) ;
mp.play() ;
```
てな感じです。サンプルコードおいておきます。
V601SH機種以降のJSCL1.2(P5型)ではこの方法が使えなくなっている模様。データフォルダにアクセスするためのStorageConnectionインターフェースを用いる。

実機とエミュレータらへん

コマンドラインから「emulator.exe -Xdescriptor:*.jad」で直接エミュレータを起動可能。ヘタなIDEツール使うくらいならMakefileなりバッチファイルなりで対処した方が便利。ただ、IDEから起動するときの「UEI仕様」というものがワカラン。
J-PHONEのケータイではJVMの文字コードは基本的に、Shift_JIS+J-PHONE独自の拡張絵文字であると理解すればいいかも。このため、Windows上でJavaソースをコンパイルするときは「javac -encoding SJIS」オプションを指定する必要がある。指定しない場合、一部の文字でUnicode上でのコードがWindows(Windows-31J)とケータイ(Shift_JIS)で異なり化けることになる。化ける文字の例、「～」「∥」「－」
ちなみに、オプションとして「javac -encoding Shift_JIS」は非常に危険。コンパイルするバージョンに依存する。 Shift_JISはバージョンによりSJISかMS932かどちらにかるかが異なるため。
SpriteCanvas(の派生クラス)のdrawFrameBufferによる実画面転送では、 SpriteCanvasがディスプレイとしてセットされていないときでも実画面に転送できます。つまり、これやるとそのときディスプレイにセットされてるものを上書きしてしまうという。逆に応用もできるかも。(エミュレータと実機J-T51で確認)
JSCL1.0向けエミュレータとJSCL1.1向けエミュレータが2003年10月現在公開されているが、どうもJSCL1.1向けエミュレータの方が完成度が高い模様。互換性確認の時のみJSCL1.0のものを使い、普段はJSCL.1向けのものを使った方がいいかも。

外部リンク

とことんJavaアプリ系リンクページ
このページ自体は内部リンクです(を)
Vodafone Developers Support Site(ボーダフォン公式開発ページ)
ん・ぱか工房
サンプルやTipsが豊富
アプリLiveメーリングリスト
過去ログ公開されてます。
旧あぷたまメーリングリスト
過去ログ公開されてます。あまりに投稿数少ないので私は登録してませんでしたが・・・
Marukun's Web
Tipsやアプリ公開時の手順・注意点など
携帯電話で動く Javaプログラムを作ろうプロジェクト - 数理情報演習(2003)
龍谷大学理工学部数理情報学科3回配当の「数理情報演習」で、ケータイ向けJavaプログラミング演習のページ。開発の流れが教材として公開されてます。
Java2ME MIDP ゲームクリエーターズガイド
英語訳が決まったらしい。それくらいきっといい本。MIDP/JSCLにふれている数少ない本。
Vアプリまとめサイト
２ちゃんねるテンプレ系のWikiサイト
アプリ★ゲットV
コンテンツアグリゲータの一つ
アプリLive
コンテンツアグリゲータの一つ
CLDC+MIDP+携帯電話用Javaスレッド part 2(２ちゃんねるプログラム板)
お世話になっています。(お世話しています？ログ消えたんでアップのdat版とZIP圧縮版)
携帯JAVAのスレッド dat落ちしたので置いときます (のZIP圧縮)

目次(予定)