著作物の撮影はどこまで可能?

先週末は北陸へ旅行行ってました。旅行そのものはこのへんとかこのへんが詳しいので、ここではあえて書きません。本当は書くのが面倒だっただけとか指摘しないでね。あ、でも2日目昼の井ノ弥のちらし近江町特盛(金沢近江町市場: 撮った写真)は本当においしかったです。これはマジでお勧め。んで、私は私らしく小難しい(ある意味どうでもいい)話題へ。

金沢21世紀美術館にもいったんですが、入り口ですぐに見かけたのが「撮影禁止」の看板。んーんー、とよくよく考えると、あえてすべての作品を一律撮影禁止にするのはどうなんよ?という結論に達しました。

撮影禁止にする理由はいくつかあるようで。撮影時の場所と時間占拠が他の来館者の迷惑になる、シャッター音とフラッシュが他の人に迷惑になる、フラッシュに含まれる紫外線が作品劣化につながる、など。「写真ではなく心と体で記憶に残してほしい」とかもっともらしいことを書いてるところもあるようですけどね。前者の他の来館者の迷惑になる話は、ジブリ美術館が撮影禁止になっちゃった例が参考になるかも。フラッシュやケータイカメラのピロリン音もまぁ納得できますね。

で「美術館 撮影禁止 カメラ」あたりで検索してみると、海外では撮影OKとなっている美術館もそこそこあるそうで。この場合、三脚とフラッシュは使っちゃダメという条件がほとんどっぽいです。で、あとは撮影するための許可を別料金とするようなのもあるそうです。これは主にメディア向けですね、ある意味著作権のある作品で金儲けしようとしているわけで、マージンよこせという理論と理解できます。

で、やはり最大の懸念材料が著作権を利用した商売のようです。一番身近なものは絵はがきの売り上げが落ちるなど、あと将来デジタルライブラリとしてインターネット公開するときの妨げになるだとか、そういうところでしょうか。でもここが非常にあいまいで、勝手に撮影されて個人的に使われた場合、具体的にどう美術館や著作権保持者に影響するのかが見えにくいところです。撮影したところで所詮オリジナルの劣化コピーなわけで、他の人が「美術館に行かなくてすんだ」とか、撮影者が「もう一度行こうと思わなくなった」とかにはまずなり得ないと思います。まぁWeb日記で勝手に公開されたり年賀状の絵柄に使われたりするとどうかと思いますが。

実際の芸術家はこの辺をどう思ってるんでしょうか。本来なら「多くの人に見てもらいたい」という欲求があると思うんですが、芸術家で生活しようと思うとやはりどうしてもお金を稼ぐ必要があり、勝手に見られちゃ困る・金払わないと見せたくないともなるわけです。相反する2つの要望を満たすには、お金に困らないほど稼げる手段がないといけないわけです。逆に言えば、一部の非常に優秀な芸術家だけが商売としても成り立ち、他の多くの芸術家をたくさん養えるだけの社会構造とはなりえないとも言えるんじゃないかと。

いろいろいってますが、結局のところ、趣味を超えて作品を作れる人は希有で、多くの人は趣味範囲で本業ではないところでやってください、となっちゃうんじゃないでしょうか。美術館で見たものの中にビー玉で作った世界地図があるんですが、これ当然展示期間が終われば壊さざるを得ないわけで、撮影禁止どころかむしろ撮影しまくってほしいもんじゃないんでしょうか、壊してからもこれで商売できるとも思えないわけで。まぁ「世界はもろくて儚い」を表現したものなら、あえて残してほしくないともいえなくもないんでしょうか。

デジタルにさえなれば無劣化コピーがほぼタダみたいな値段で行えるこの時代、完全なデジタル化が難しい作品を多く抱える美術館でさえも、著作権だとかそういう話を意識しなきゃいけないのかなぁとか思わされた旅先ですた。まぁ「禁止」とかいわれるのが悔しいだけかもね、

相変わらずまとまりのない文章だこと。

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このページは、らるるが2005年3月10日 03:05に書いたブログ記事です。

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