Wikipedia 色 の Web

断熱系における不可逆変化の過程において系のエントロピーが増大するってのが熱力学第二法則ですが、なんでエントロピーが増大してしまうのかの証明は現在ではまだ不十分らしいです。Wikipedia: 熱力学第二法則によれば、時間の矢のパラドクス・マクスウェルの悪魔の否定・統計的なエントロピー増大あたりを解決しないといけないそうです。

で、Wikiediaの項目をよく見ると、時間の矢のパラドクスについて以下のような記述がなされています。

1993年に提案された「ゆらぎ定理」を用いる、時間の矢のパラドックスの解釈が提案されている。これは、時間の矢のパラドックスの解決の一つとして挙げられている。

おお、「ゆらぎ定理」なるものが時間の矢の解決の糸口として注目されているのか。ということで「ゆらぎ定理」について調べようと思ってGoogle検索してみると・・・ろくなページが見つからないわけで。まぁ見つからないなら見つからないで今はまだよくわからない領域だということでいいんですが、どっちかっていうと見つからなかったという事実よりも、Wikipediaの内容がそのまま載っているだけのページばかり見つかったっていう事実にちょいとビックリ。

Wikipedia: H定理の項目の中で「ゆらぎ定理」なることばが使われているわけですが、この「H定理」のページの内容がそのまんま載っているページばかりが見つかるわけなんですよ。こんなんとかこんなんね。大学の講義なんかでネット上の情報をベタリとレポートに貼り付けるなんていうのが一時期問題に上げられましたが(例えばこのへんとか)、インターネット上では最近どうも、情報の流通や蓄積に偏りすぎてて、情報の生成と発信が弱くなってきているような気がしないでもないです。話としては「増殖Webがうざい ('05/09/22)」が近いかもしれない。

まぁあれだ、「だめー、エントロピーが増加しちゃうー ('07/03/14)」の続きとして書くなら、「ほっとくだけで片付く魔法の部屋 (時間の矢の方向にて部屋と人の系のエントロピーが減少する)」てのが実現されるのはまだ先の話ってことなのだろう。んな物理屋さん的発想をするくらいなら、メイドロボでも作って実用化した方が早そうだなぁ。

ちなみに、「ゆらぎ定理」については「fluctuation theorem」で検索すればそこそこ見つかります。もちろん英語ですが。

・・・で、何の話だったっけ。ドラゴンボールZでパラレルワールドの理論を採用したタイムマシーンが出てきて、で「そのタイムマシーンは違うだろ」とつっこもうと思ったのが、このエントリを書くきっかけだったような。

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このページは、らるるが2007年4月 2日 01:58に書いたブログ記事です。

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