NTTドコモがFeliCaサービスと対応端末を正式に発表しました。
まずはFeliCaとはなんぞやということですが、堅くいえば非接触式ICチップによるデータ通信ができるもの、っという感じです。さらに平たくいえば、ちょっとしたデータを送受信できるIDカードってとこです。日頃財布の中がクレジットカードや各社ポイントカード・身分証明書であふれている人は多いことでしょう。それを全部ケータイに付いた専用ICチップで統一しちゃいましょうっというサービスです。
で、そんなサービスをNTTドコモがやるというのがミソ。いわゆる携帯電話キャリア(=ドコモ/au/Vodafone....+忘れていけないTu-Ka)は、昔は全国各地に通信網を張り巡らせ、電波をやりとりする基地局を整備し、どこにいても電話をかける・電話がかかってくることをできるようにすべくがんばってました。それが、ここ最近はデータ通信の需要の伸びにより、メールサーバや携帯向け公式Webコンテンツ構築などに明け暮れました。いってみれば、通信インフラ整備会社であったわけです。それが、今回は通信インフラからの脱却となるサービスというわけです。
パソコン市場は、IBMのPC/AT互換機とWindowsの技術公開により、実質セキュアにコンテンツ課金するモデルを作ることができなくなってしまいました。しかし、携帯電話はそのインフラプロトコルや端末内部仕様は公開されてません。なので、ケータイ向けの有料コンテンツ市場はある程度健全に発展しました。
今回のFeliCaもその延長線上。つまり、オープンで自由にいじれるようなプラットフォームではなく、キャリアとメーカが閉じたプラットフォームを用意してくれているおかげで、電子マネーやIDカード的利用ができるわけです。ケータイ向け有料コンテンツは通信網が閉じていたおかげで、今回のFeliCaは端末内部仕様が閉じていたおかげで、実現できるわけです。
なんでもオープンであれという思考で育ってきたこれまでのインターネットとパソコン市場と、コンテンツの有料課金モデルを維持するための閉じたプラットフォームのケータイ。この二つは、今後も融合することはないと思われ。。