家電メーカの家電量販店対抗策

気になるニュースがありまして。[asahi.com] 東芝、「世界最小」でビデオカメラ市場参入 ネット直販。asahi.comだとそのうち記事自体が消えちゃうんで、ここで概要だけ書いておきます。0.85型のHDDを搭載して世界最小を目指したデジタルビデオカメラを東芝が出して、んでそれを東芝のネット直販サイトでのみ販売しよう、というお話。

この世界最小のHDD搭載ビデオカメラの製品自体はすでにレポートなどで伝えられていて、gigashotという名前で出す予定だそうです。今回開発した0.85型のHDDを核としてデジタルビデオカメラ市場へ初参入ってことで、上の記事はどっちかというとここを重視した記事となってます。ただ、私が気になったのはそっちではなく、作った製品をネット直販サイトでのみ販売しようという方針です。

「東芝」「直販サイト」とかのキーワードで連想するのは、RD-H1ですね。HDDレコーダというカテゴリになっちゃう本製品は、過去の経緯があったんで、様子見という意味も込めて直販サイトでのみの販売となりました。しかし、ふたを開けてみると予想以上に予約殺到。というわけで、ネット直販サイトでのみの販売というのは意外と使えるな、という判断が、今回のデジタルビデオカメラをネット直販でのみ販売するという決定に影響していると思われます。

インターネットが普及するまでは、家電製品はいわゆる家電量販店で買うというのが一般的だったと思います。しかし、そんな流れの結果、asahi.comの記事が指摘するように、ヤマダやコジマやヨドバシといった家電量販店に家電メーカが主導権を奪われ安く買いたたかれる(卸される)という、家電メーカからするとイヤな状況に追いやられてしまっています。販売促進費という名目で結構なお金をメーカが家電量販店に払っているだとかなんとか。

で、インターネットの普及の結果、家電メーカ自身が自分の直販サイトを持ってそこで販売するという流れもできてきました。しかし、いくら自分とこのサイトで売っていたとしても、家電量販店の方が安けりゃ、そりゃコンシューマは家電量販店に行っちゃいますよね。そんな感じで、いまいちメーカ側で主導権を握れなかったのを何とかしようというのが、今回のネット直販サイトでのみの販売だと思います。直販サイト限定というやり方以外だと、たとえば松下のmyletsで買うと天板の色を選べるサービスなんてのもあります。

どこのメーカ製でもいいようなものはどこででも買えるように家電量販店へ卸し、特定のメーカ製だけが持っているような特殊な機能がある製品は戦略的に自分の直販サイトでのみ売る。そんなスタイルへと流れていくんじゃないでしょうか。

このブログ記事について

このページは、らるるが2005年9月 1日 23:20に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「Googleに是非やってほしいIMサービス」です。

次のブログ記事は「Namazuプログラミング」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

月別 アーカイブ

ウェブページ

Powered by Movable Type 7.9.0