神による記述

大昔は、太陽が万物の創造主だとか、水・空気・火・土が元素だとか、そういった哲学というか宗教っぽい考え方が世の中を支配していた。神(=万物の創造主)である太陽が空をぐるっと一周するのにかかるのを時間の単位として1日という概念が作られたり、太陽の高さの変動周期から1年という期間の概念が作られたり、要するに神を土台において理論をくみ上げていったわけだ。

逆に言えば、理論の土台にさえなれば何を神としてもかまわないともいえる。最低限として理論の土台になって欲しいので、時や場合によってころころいっていることや状態が変わるものは神としてはよくない。人の考えなんてころころ変わるのが常なので、人を神とすることはできない。流れ星のようにいつ現れていつ消えるのかわからないようなものもよくない。来る日も来る日も規則正しく空に昇ってくれる太陽は、こういう意味で神としてふさわしかったと解釈することもできる。

ところが、規則正しいと思われていた太陽も実は大して規則正しくなかったことが科学の発展により明らかになってくる。太陽が、というよりは、地球から見た見かけ上の太陽が、といった方が正確かもしれないけど。閏年なんて規則性からいえば明らかにイレギュラーだし、地球の太陽を周る運動が完全な円運動ではなかった、とかいった具合の話がごろごろある。地球の自転が一定ではなかったことがわかった結果生まれた閏秒(2002/11/11(Mon))なんて、大して規則正しくなかった太陽(と地球)を神としてしまった弊害でもある。

世の中に絶対なんてものはない。盲目的な神の信仰こそがもっとも危険なのだ。そんなことはわかっていても、人は神を求めてしまう。人の考えなんてころころ変わるのが常なので、規則正しい不変なものを求めてしまうという習性があるからであろう。

・・・起承転結ががっちりとした文章を今年初めて書いてみました。皆様いかがお過ごしでしょうか?「今年初めてじゃなくて生まれて初めてだろ!」とかいうツッコミの声が聞こえてきそうですが、あえて無視することにします。「そもそも上の文章が起承転結がっちりしてないだろ」というツッコミは、無視せずもみ消します(謎)

んで、宗教論とかを書きたかったわけじゃないんです。本当に書きたかったのは「測量は難しい」ということなんです。本当です、信じてください。決して私が**教を広めたかったとか、**教を弾劾したかったわけじゃないんです(謎) あ、でもあの某がっk(ry

Google Maps APIにて測地系の移行なんて話が知らない間に実はありまして。この影響で、2005年12月以前にGoogle Maps API上での地図を元にした緯度・経度そのままの場合、それを12月以降のものへあわせるとずれてしまう、なんていう問題がありました。ぺーぺーの私みたいな素人からするとなんでんな不便な移行をするんだなんて思ってしまったんですが、調べているうちに測量の難しさという話に行き着いたってわけです。

まず日本ローカルでの問題があります。大昔は正確な日本の形すらわかってないわけで、中学の歴史で必ず伊能忠敬を習うわけです。伊能忠敬は地測と天体観測を併用することで誤差を少なくしたそうです。んでその後も日本で独自に測量を行っていって、日本測地系と呼ばれるものができていきました。

しかし、地球上の座標を表す緯度・経度なんて、世界で共通で使えてこそナンボです。日本測地系が日本周辺での誤差を考慮して構築しているため、世界レベルで見ると逆に誤差が生じるわけです。というか、日本の離島周辺でもやばいそうですが。GPSの利用なども考えると、日本測地系を使い続けることの弊害も大きく、測量法改正による世界測地系への移行が行われました。

んで、日本測地系から世界測地系へ移行するのに、やっぱ日本測地系で作った地図もそのまま流用したいわけです。そこで測地系間での座標変換が必要になるわけですが、単純に平行移動するだけではすまされず、回転楕円体選択(ベッセル楕円体の原点・長半径・扁平率)、(経度の)原点の違い、メッシュの歪み(ジオイドの考慮)が必要になります。つまり、複雑な計算だけならず測量に基づくジオイドのデータも必要になるわけです。

ジオイドってのは地球の等重力ポテンシャル面のことです。地球の密度が一定ではなくまた地表もでこぼこしているので、緯度と地球の原点からの距離では重力の大きさを測ることができません。なので、測量に基づき地点ごとに離散的な等重力点を求めて近似的な等重力面を求める必要があります。そうやって求まったジオイド面があってはじめて標高(ジオイド面からの高さ)が求まるわけです。標高ってのは海面(東京湾平均海面)からの高さじゃないんですよ、ジオイド面からの高さなんですよ、・・・という表記も怪しいのか、重力ポテンシャルに対する仕事が等しくなるような重力ポテンシャル面に対する鉛直方向の距離は等しいとすると、ジオイド面からの高さと海面からの高さは等しいのか。よし、ますます意味不明な記述になってきたぞ〜

というわけで、今現在私が保持している緯度経度はかなり局所的な地域(京都府南部)だけのものなので、旧Google Maps APIの緯度経度と新Google Maps APIの緯度経度の差なんて平行移動程度のものだと割り切って、えいやと平行移動して対応終了。はじめからこうすりゃよかったんだよな。日本全国の広いデータを持っている人はこんなことしちゃダメですよ、数百メータずれるのもざららしいんで。

現代科学にとって地球は、不均一で不規則すぎてしかも地震や火山活動で今までの成果を簡単にふいにしちゃうような、そんな困ったちゃんなのです。太陽とて実態はそんなもんなのでしょう。測地・測量学の中の人も大変だなぁ、と思いました。まる。

私の理解の限界はこの辺です。上記文章の不正確さを理解したい人はこの辺を読みましょう

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このページは、らるるが2006年1月 2日 04:46に書いたブログ記事です。

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