テレビ向けのポータルサイトってあり得るんだろうか

Life is beautiful: ゲーム業界のジレンマ
はてなブックマークの人気エントリー一覧ながめてて目に入ったのが上記の記事です。上記のブログのエントリでは、ゲーム業界としては今後、ゲーム専用機向けのゲームをガチで作るだけではダメで、カジュアルで簡単に楽しめるようなゲームを専用機以外にも提供していく必要がある、てな主張がされてます。この中で、スク・エニがTナビ向けにカジュアルゲームコンテンツを配信するてのが気になりました。

Tナビってのは、松下が推進するテレビ向けポータルサイト(類)のことで、Webブラウザを搭載したようなデジタルテレビを対象として様々なコンテンツをそろえたポータルサイトを提供しているやつです。(ケータイウォッチでの用語説明)

「テレビでWebを見る」ってのもかなり前から語られるコンセプトですが、未だに使ってる人がほとんどいないというのが現状かと思います。そんなさんざんな状況を松下もよくよくわかっているので、ここ最近Tナビサイトの強化を目指したり、横の連携を強めようとしたりしてます。その流れの一環で、スク・エニからのコンテンツ提供を受けるという流れになったのでしょう。

「テレビでWebを見る」ためのポータルサイトってのもあり得なくもない程度のアイディアではあると思うんですが、考えれば考えるほどケータイには勝てないなぁ、とも思えます。

まず課金。ケータイは月々の使用料とまとめてコンテンツ利用料金を払ってもらうことができます。Tナビだとわざわざユーザに課金のためにクレジットカードなどを登録してもらう必要があり、ユーザの負担になることが容易に想像できます。心理的に「登録めんどい」といったほうが正確かも。

次に利用者層。Tナビ対応のテレビなんて1家に1台あるかないかなので、必然的に何人かの家族で共有して使うことになります。大きめの画面で皆で一緒に使うようなコンテンツがTナビにあればいいですが、Webはもともとパソコン使って1人でポチポチするというイメージが強く、そういうコンテンツがやはり多いでしょう。それに対しケータイは一人一人が自分の端末を持っていてそれを占有できます。1人でポチポチするようなコンテンツには適してます。リビングで家族が見なそろってテレビを見るなんていう時代でもないので、一人で占有できるケータイは、1家に1台しかないテレビに比べてやはり有利でしょう。

最後にゲームの対応具合について。Tナビ対応テレビといってもしょせんはWebブラウザしか乗っていなくて、BML/HTML/CSS/JavaScriptあたりが限界でしょう。方や、ケータイではJava使ったゲームが全盛期です。端末開発時にJavaの動作の互換性を気にするほど重要な機能にもなっていて、Javaの処理能力を向上させることが端末のアピールポイントとなることも少なくないです。テレビも今からそんなケータイに対抗してJava乗せるのか?乗ったら乗ったでおもしろそうだけどね。

というわけで、テレビにケータイ並みのJava処理機能がのって、かつ家族が皆でわいわいできるようなゲームが提供されない限り、Tナビ構想は成功しないんじゃないでしょうか。

っといえば、XBox Liveがそのへんをねらっているようにも思えてきて、ますますTナビの居所がないような。。

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このページは、らるるが2006年3月26日 05:20に書いたブログ記事です。

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