「プログラミングのための線形代数」を読んだ

まず最初に、紛らわしいタイトルだけど、この本は線形代数の本であり、プログラマのための本ではないのでご注意。

主に、一度は線形代数を学んだことになっているけど実は理解が怪しくてとりあえず計算方法だけ押さえている、っていうような人向けの本です。この本は、計算方法や厳密な証明ではなく、定理などが何を言わんとしているのかを、幾通りかの方法でできるだけわかりやすく表現しようとしている本です。このため、数学屋さんから見れば「詰めの甘い」本であり、線形代数を理解できなかった人にとっては「読むのに敷居が高い」本です。

理解しやすいように表現している箇所が本当に理解しやすいかどうかは、正直人によるんじゃないでしょうか。私にはしっくりとくる説明ではありましたが、これで万人が納得できる説明かといわれると正直微妙な気がします。

押さえている範囲はなんてことはない、行列式・ランク・逆行列・対角化・固有値・固有ベクトル・一般化固有ベクトル・ジョルダン標準系、です。数値計算への入門となるような章もありますが、あまりに入門過ぎる内容で、こっちは役には立たないでしょう。

「プログラミングのための線形代数」というよりかは、「技術者のための線形代数」とでもいった方が、ニュアンスは近いかもしれないです。

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このページは、らるるが2007年5月 8日 04:10に書いたブログ記事です。

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