「イノベーションのジレンマ」を読んだ

今更こんな定番書を読んで感想を書いてもおもしろくないなぁ・・・とか思わないでくださいね。。

結局本書で書いてあることは、「パラダイムシフトを見破るのは難しい」 「既存顧客・既存市場を見ているだけではパラダイムシフトを見破れない」 「優良企業ほど既存顧客・既存市場だけを的確に分析する」 てなことでしょう。つなげると「優良企業はパラダイムシフトを見破れるとは限らない」となります。この論を強固にするために、たくさんの事例や資料やら証言やらを並べているという感じの構成です。まぁ、あげられた例が豊富で事実に基づいていて説得力あるように書いている点が、本書の強みでしょう。

ただ、本書で言うところの「破壊的イノベーション」「持続的イノベーション」の区別の仕方が、結局何も述べられていないのが気になる点です。同種の疑問を持つ人があまりにも多いから、本書の続編がずばり「イノベーションへの解」なんでしょうけど。ただ、この手の区別って、結局、事後的にしか行えないような気がしないでもないです。歴史学者が歴史に勝手に解釈つけてるのと同じ。

世の中には、本書で言うところの「破壊的イノベーション」となりうる候補が山ほどあるので、どれが本物の「破壊的イノベーション」となるかが全くわからないのです。なので、結局本書は「パラダイムシフトって見破るの難しいよね」とぼやいているようにしか読めなかったです。

やっぱ、この手のビジネス本は、あんま読む気になれんわ。。

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このページは、らるるが2007年5月 5日 05:42に書いたブログ記事です。

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