半年前に買ったはずなのに今頃読み終わる。相変わらず本を読むのが遅いなぁ・・・というか、本を読む時間が取れてない。
テレビ業界がどのようなビジネスで回っているのかをプレーヤをちゃんとまとめた上で解説し、それを取り巻く環境(特にIT方面)の変化に対し今後テレビ業界がどのように変わらざるを得ないのかを書いた本。「進化論」とは書いているものの、とらえ方によっちゃ「衰退論」とでも言った方がいいのだろうかな。
既存のテレビ業界の中を丁寧にかつ鋭く解説している点が非常によい。またテレビ業界を取り巻く環境の変化について、細かいけどインパクトを持つようなニュースもきちんと補足できていたりと、非常に分析が行き届いている。ここまで全体を見通せている人が今の官僚の中にいる(というよりかはいた)という点で、日本もなかなか捨てたもんじゃないなと思う。
官僚出身ということで一部政府の政策が前面に出てしまっている段落もあるものの、それをさしおいてもこれだけの良本はなかなかないと思う。ただ、そんな人の分析を持ってしても「テレビの次」がおぼろげにしか見えてこないあたり、やっぱり今と比較してテレビ業界の今後は暗いと言わざるを得ないのだろうか。3年半前にライブドア vs フジサンケイ、楽天 vs TBS みたいな構図があったけど、今思えば4,5年ほど再編させようとする動きが早かったのかなぁ。
テレビ業界に少しでも関係する人は、読んどいて絶対に損はない本です。