「不本意な敗戦 エルピーダの戦い」読んだ

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日立とNECの合弁子会社の色がまだ強かった2002年から、マイクロンによる買収の形がほぼ完了する2013年までの間、エルピーダメモリの社長として切り盛りしてきた本人が書く、エルピーダでの会社生活の奔放ぶりを書いたような本。大手電機メーカの合弁のような形の会社から独立したDRAM専業のメーカとして立ち上がっていく道のりが時系を少し章ごとに入れ替えながら語られてる。

日本体育大学卒だそうで、本人自身はエンジニアではないもののTI(テキサス・インスツルメンツ)で開発本部長にまで上り詰めた実力を買われて、エルピーダの社長におさまったという感じのようです。アメリカ式経営のTIとは違った点に苦労しながら資金集めに駆けめぐった様子が描かれている印象が強いです。

この本に書かれていることが本当だとするなら、経済産業省の審議官がインサイダー容疑で逮捕されたのが日本政策投資銀行の資金引き揚げ方針に少なからず影響しているように読めるし、その後の資金調達のための提携でマイクロンと合意までいけそうだった時にマイクロンCEOが交通事故死しちゃったから時間足りずに会社更生法になっちゃった、て感じかなぁ。会社更生法にまでいかなかったとしてもマイクロンとの提携はほぼ既定路線だったのかな。

「エルピーダメソッド」という大してはやってもない言葉を私が作ってしまう程度には、大手電機メーカの不採算部門を寄せ集めて作った会社に政府からの資金を注入してなんとかがんばらせるという方法が最近ホット(?)ですが、この先どうなるんでしょうね。ルネサスエレシスやらジャパンディスプレイやら。

とまぁグダグダ書きましたが、最後の方に書かれている「日本のメーカがんばってほしい」というところはよくわかりましたが、正直この本別に読まなくてもいいと思います・・・あ、「会社更生法申請したらこうなっちゃうよ」という現場のドタバタっぷりは参考になるかも。

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このページは、らるるが2013年11月11日 01:25に書いたブログ記事です。

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