「いかがでしたでしょうか」ブログはなぜなくならないのか

● 参考サイト
いかがでしたかブログを書いている俺がその背景を考える【追記あり】
https://anond.hatelabo.jp/20190316041332

● 需要と供給の話
・SEO対策したサイトで収益を得たい管理者(A)
・何でもいいから記事を書いて原稿料を得たい記者(B)
・話題のキーワードでググって世間話のネタを得たいユーザ(C)
の三者で成り立っているのでなくならない。

● 供給側の話
私も含め、(A)と(B)が同一人物であると思っている人も多そうだけど、別なことが多いらしい。(A)は、アクセス数さえ増えればいいので、SEO対策のためにも「それっぽい」文章を(B)に求めて発注する。(B)は、話題のキーワードでかつ「それっぽい」文章のために文字数を稼ぐ必要があり、あのような回りくどい中身のない文章が作られる。ゴミサイトを排除するAIを欺くためにも、「それっぽい」文章はそれなりに論理的である必要があるらしく、論理的な文章を量産できる人はそれなりに限られるため、(B)のような記者が必要となる、らしい。

● 需要側の話
一般ユーザは、真実や正確な情報はどうでもよくて、世間話や暇つぶしになればよいので、あのような文章で満足する。世間一般的に、論理的な文章をきちんと読める人は少ないらしく、ましてやその利用目的もあってどうせ斜め読みするので、最低限の品質の文章で事足りる、らしい。

● 高みを目指したい人の都合
真実や正確な情報を効率よく拾いたい人にとって冗長な文章というのは耐え難い。時間こそが貴重なリソースなのに、長い文章を読むのに時間を取られた挙げ句「わかりませんでした」ではブチ切れる。こうして多くの人が目にしているであろうキーワードはググるに値しないものと認識される。結局は、前提知識や分野を絞った検索が必要になるので、そういった用途を求めてSNSやコミュニティへと流れていかざるを得ない。

● 「増殖Webがうざい」話
以前「増殖Webがうざい」という記事を書いた。昔は適当に文章をコピーしてきた程度でWeb検索エンジンを騙せたが、今はそうもいかないので、先の(B)のような記事を書く人が必要となった。ただ、Web検索エンジンを騙せればよいので、機械翻訳を介して自動生成したサイトというのも放置できないほどに増えてきた。記者に記事を書いてもらうやり方ではスケールしないので、この手の自動生成のアプローチは、手法が少しずつ変化していくだろうけど、根本的にはなくならないのだろう。

● その他
文字読めない人のための動画(YouTube)の繁栄、言語(英語)の壁、本当のことなんて信じない・信じたいと思うもののみを信じる、みたいなリテラシーにも繋がる話だけど、そこまで絡めると範囲が広すぎるので、またにしたい。

このブログ記事について

このページは、らるるが2022年8月 9日 02:33に書いたブログ記事です。

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