愛社精神旺盛。。。じゃなくて、こんな本を読まされるので、真逆をいく本も読むべきかなと考えてのことです。ちなみに、このへんを見て読もうと考えてました。
日経のベテラン記者が書いているということもあって、内容の裏付け・話題の展開などにはケチのつけようが全くないという感じです。一朝一夕では書かれていなくて、長年の松下電器の情勢をよくよく理解した上で書かれた本です。表向きは利益・売り上げとものびていて好調なようにも見えるものの、実はそんな簡単な話ではないんだということを、この本を読めば一通りは理解できることでしょう。
人はいつかは必ず死ぬので、たとえどんなに優秀な人がすばらしい組織を作ったとしても、作った人が死んだ後にその人に続く別の優秀な人が出てこないと組織が永続しない、ってことの典型のように書かれてます。会社経営なんて時代に応じて臨機応変にしないといけない。創始者の大成功を根拠に「創始者の作ったものこそどの時代でも通用するもの」と絶対視してしまう風潮を切り捨てた社長、という話の展開です。
ただし、後出しでもっともらしい理由をつけただけの本ともいえます。結局のところ「成功した人のしたことが正しい」とも読めてしまう本です。創始者を絶対視するのが危険であるのと同じくらい、創始者を切り捨てることを絶対視するのも危険です。そのへんは注意して読みましょう。
改革が進んできたとはいえ、まだかつての全盛期とは比較にならないくらい危うい状態であることは確かです。というわけで、結局のところ次はどうなるんだろ、ってことでしょう。・・・という風に結論づければただのふつうの本だな。