任天堂Wiiは、ゲームソフト開発会社にとって魅力的なプラットフォームなのだろうか。
Wiiは、Wiiリモコンに代表されるように、従来とは異なるタイプのコントローラを据えて登場となりました。Bluetoohを使って無線でコントローラを使えるのはPS3/Xbox 360と一緒ですが、ポインティングデバイスとなりかつ加速度センサーによる「体感ゲーム」を目指しているのはWiiだけといっていいでしょう。
ちなみにあのリモコン、センサーバーにはセンサーがなく、実はセンサーから出た光(赤外線)をリモコンが受信し、その受信したデータをリモコンが本体へBluetoothで返して、んで本体がそれを解析して位置を測定しているのだそうだ。まぁそんなことどうでもいいか。
2005年度から、しぼみつつあったゲーム市場がやや上向き加減になり、んで2006年度はかつてないほどの豊作となりつつあるようです。ただ、売れてるっていってもプラットフォームはNDSばっかっぽいんですよねぇ、しかもソフト開発元は任天堂ばっか。ハード売り上げ台数ではPSPもそこそこがんばっているものの、ゲームソフト売り上げを見る限りはもうPSPはNDSに負けたと断言してもよい頃でしょう。まぁ、PSPは携帯型ゲーム機ではないところでがんばっているそうですが。
そんな具合にプラットフォームとして育ちつつあるNDSですが、問題点もあります。
・売れてるのは任天堂ソフトばっか
・「脳トレ」に代表されるようなトレーニング系ソフトの乱発
前者は先にもう書いたので、後者について。
「脳を鍛える大人のDSトレーニング」のインパクトが強かったため、ゲームにあまり詳しくない大人にとっては、NDSとはタッチパネル搭載のトレーニング機だ、と思われてしまっている気がしないでもないです。テレビCMでも、英語力とか常識力とかそんな系統のが多いです。どうも、NDSとはそういうゲームをするためのプラットフォームだとステレオ的に認識されてしまってはいないだろうかと思っています。
もちろん、売り上げから見るに、「どうぶつの森」「ポケモン」「マリオカート」などの"お子様向け"なソフトが堅実なのは確かですが、そんな売り上げの実態とは裏腹に、大人からは「脳トレ系専用ゲーム機」と見られてはいないかと心配です。
そんな中で登場するWii。タッチパネル戦略が一応成功したということもあり、任天堂はWiiとは何かを表すために体感型リモコンを従来以上に象徴的に扱っています。また、NDSの時は従来型コントローラとして"も"使えたのとは異なって、このWiiリモコンは従来型コントローラとして使うにはちょっと不便なんですよねぇ。説明書には、このリモコンを横に構えることで従来のコントローラのように使えるとは書かれてはいますけど。
というわけで、NDSからの脳トレの流れと、このWiiリモコンより、Wiiは従来型コントローラを前提としたゲームソフトを遊ぶためのプラットフォームではない、と消費者から見られてしまわないかという心配があります。従来型コントローラをあまり積極的にアピールしないあたり、任天堂自身も「Wiiには従来型コントローラを前提としたゲームソフトはいらない」とすら思っているのかもしれないです。
つまり、Wiiには以下のような問題点がつきまとう危険があります。
・売れてるのは任天堂ソフトばっか
・体感リモコンを生かしたソフトの乱立
まぁ、任天堂自身がそんな従来とは違ったプラットフォームに育つようにしているので、「危険」だとか「問題点」だとか指摘するのはちょっと違う気がしないでもないですが。
そんなわけで、もし(サードパーティな)ゲームソフト会社がWiiに参入しようとした場合、あのWiiリモコンを生かしたゲームを作ることが求められます。それは、従来型コントローラ向けソフト作りのノウハウが必要ないということであり、これまでの開発体制を大幅に変更して望む必要があるといえます。
一方、"次世代"と称される他の2つ向けを考えると、グラフィックス面での大幅向上に伴う開発費増大問題がつきまといます。一部の大手ゲームソフトメーカが手間暇かけて作った少数のソフトだけが儲かるという構造です。この辺はもう過去に何度も指摘されているのでこれ以上はいいでしょう。
というわけで、ゲームソフト会社にとっては、どのプラットフォームを選ぶにしてもつらそうに見えてならない気がします。まぁ最近は、ケータイ向けゲームに逃げているような気もするけど。
・・・というようなことを、親がプレイしている時に横で待っている間に妄想したのでメモしておきますね。