「Binary Hacks」読んだ

Amazonアフィリンク

今更読んだのかよ、と言われるくらい積み本状態でしたが・・・

UNIXシステムプログラミングでの小ネタ集のようにまとめたもの。ELF, object file, dwarf, gcc, ld 回りの話を100個に小分けしてネタ紹介している。

私がかなり昔にELF Golfの話を見ていたせいか、このBinary Hacksの本はこういうELF Golfのような変なことをやるための話ばかりと思ってしまっていた。けど、いざ読んでみるとものすごく普通の話ばっかりだった。

話の内容としては、kernelやらコンパイラやらブートローダやらシステムコールやらライブラリロードやらのよくある話・・・とまでいうと言い過ぎで、ぜひ覚えておきたい話が大部分。Linuxの組み込みソフトをやるなら知っておかないといけないような話。まぁ最近はいくらLinuxとはいえほとんどがベンダから提供されるツール使えばほとんど気にせずこれらの恩恵を受けられる。けど、まれに起こる変なバグを追おうと思ったら・・・ね。

ただ、本が出たのが2006年11月で今から見ればかなり昔、また書かれた当時から見てもベースとしてるツールや環境が古い(Linux-2.4とか)、いくつか紹介されてるツールも相当古いので今この本の内容をそのまま適用するのには注意がいる。

また、小ネタを書いている人によっては x86-linux-gccだけを考えていたりというのも少し注意必要かも。最近はむしろx86-64だし、gccからllvmに移り変わろうとしているし、Mac OSなんてFreeBSDだし、またこの手の話はむしろarmv7だし、これからはarmv8が求められるところだし。

少し変わったとことして、第4章にセキュアプログラミングHackとして、バグを起こしがちの話やメモリリークの検出なんかの話もある。この本の趣旨からは少しずれてるきもするけど、話としては重要なのが多い。系統としては、こういうやつとかこういうやつに近いと思う。

この手のUNIXシステム回りのプログラムをやる人に向けては、他にこれと言った本もないので、読んで損はないと思う。ただ少し内容が古いのがなぁ。てか他にこの手の話がある程度体系立てられた本ってないの?

このブログ記事について

このページは、らるるが2015年5月 7日 02:00に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「「Effective Perl 第2版」読んだ」です。

次のブログ記事は「「実践ハイパフォーマンスMySQL第2版」読んだ」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

月別 アーカイブ

ウェブページ

Powered by Movable Type 7.9.0