テレビからチューナが消える時代は来るのか

[BroadBandウォッチ] 無料で映画やドラマが見られる「GyaO」ってどんなサービス? (おしえてブロードバンド)
無料で従来のテレビ番組なみのコンテンツを見られるってことでサービス開始後一躍有名になったGyaoとはいったいなんなのかを解説する記事です。Gyao自体は今更改めて説明するまでもないんですが、この記事でちょっと気になることが書かれていたのでそれをピックアップ。

現状ではWindows Media PlayerのDRMを使ったライセンスに基づく視聴制限を入れている影響で、WindowsでかつWindows Media Player(の9あたり)が視聴する条件になってます。そのことも上の記事で解説されてますが、それをふまえた上で書かれている文章がこれ。

現在はPCでしか見られないGyaOですが、10月からWindows XP Media Center Edition 2005向けのオンラインサービス「メディアオンライン」としてサービスを開始しました。メディアオンラインは12月10日発売の次世代ゲーム機「Xbox 360」にも対応しています。

MCEの「メディアオンライン」に対応ってことだけでピンと来なかった私は、MCEの普及していない日本に住んでいる悪い面を享受しているのかもしれません。重要なのは、そこに続くXbox 360がメディアオンラインに対応しているという事実でしょう。

つまり、ネットワークにつながったXbox 360とディスプレイとしてのテレビがあればGyaoの番組を楽しめるようになります。もちろん無料で。これはかなり脅威になるんじゃないでしょうか。

テレビってのは、いい意味でも悪い意味でも映像を映し出すディスプレイでしかないです。その事実を突き詰めて、テレビからチューナの役割を取り除くという方向の発展の模索が行われてきました。が、現状では少なくともチューナなしにテレビとは呼べないということになります。

Xbox 360をテレビチューナの代わりと見なしインターネットを電波に代わる放送用の通信路と見なしたとしましょう。Xbox 360とテレビ機で見るGyaoの番組と、電波に乗ってやってくるテレビ局自身が流すテレビ番組と、何が違うと言うことになるんでしょうか。まぁ今はコンテンツが違うでしょう。じゃ、既存のテレビ局自身がGyaoと同じようなサービス体型でインターネット越しに番組を流し始めたとしましょう。もはや違いがなくなります。放送と通信の融合とか悠長なことを言っている間に、通信が放送を亡き者としてしまいかねないです。

現状じゃ画質面で大きな違いがあるともいえます。デジタル化された電波による放送ではハイビジョン画質による放送が行われています。が、これとてたかだか30Mbps程度です。・・・たかだかか?現状ではコンスタントに出すにはきつい帯域かもね。これが優位性ってことになるんでしょう。しかし、その優位性を生かしたハイビジョン画質番組って、現状じゃデジタル放送ではあまりなされていないというもったいない事情もあります。ハイビジョンじゃないなら、Gyaoのようなインターネット経由でコンテンツ取得すればいいわけですね。Gyaoだと、番組飛ばしたりジャンルを選べたり放送時間にとらわれなかったりと、電波による放送と比べて有利な点もありますし。電波によるデジタル放送の特徴である多チャンネル化やデータ放送なんて、インターネット経由の方が遙かに有利でしょう。

今後、ハイビジョンなど電波放送の方がまだ有利である一部の点も覆されるようであれば、もはや電波経由による画一的な放送は優位性を失うでしょう。そのときテレビからチューナが消えます。チューナが必要でなくなります。Xbox 360のような通信端末さえあればいいんで。

このとき、現状のテレビ局ほどの力を持つのはどこなんでしょうか。Gyaoのようなコンテンツ配信ポータルとコンテンツを作っているところがまずあがります。が、実はここでDRMを支配しているMicrosoftの力が及んでいることがわかります。今で言うところのコピーワンスの仕組み(B-CAS)にあたるものを支配していることになります。それってどうなんよ?

コンテンツ囲い込みとしては、HD DVDとBlu-rayの争いが思い浮かびます。この争いって、結局(ハリウッドやディズニーなどの)コンテンツホルダーを味方につける争いといっても過言じゃないでしょう。Microsoftほどの大会社なら、日本メーカ主導のHD DVDとBlu-rayの争いなんてあまりうれしくなく、自社の規格を作って争いに参入しても良さそうなもんです。現状ではHD DVD側につくという立場しか取ってません。アメリカじゃシリコンバレー組は憎きハリウッドってことで、あまりべったりと味方に引き入れる争いに加わりたくないという信条もあるんでしょう。しかし実は、HD DVDやBlu-rayなどの物理メディアを媒体とするコンテンツ流通の時代はもう終わりインターネット経由での放送がその先に来るであろう、と予測しているのに他ならないのかもしれません。

まぁ「ここにもMSの影が!!」と言いたかっただけです。

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このページは、らるるが2005年11月19日 02:33に書いたブログ記事です。

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